「喧嘩をして……相手が強すぎたら……『負けたよ』と……あっさり言えるように教えておけばそれでいい。争うなとか、仲良くとかいう余分なことを子供達に教えなければ子供達はもっと自然に素直に育っていく。強ければ庇うことを……弱ければ従うことを覚える」。野口晴哉の……「背く子、背かれる親」の一節である。著者は独特の体癖論をもとに、潜在意識教育法、整体操法、活元運動などを提唱し、実行している。それらは肉体の鍛練法でもあり、精神の健康法でもあるようだ。「人間の心と体は一つ」とする著者の文章に、私は不思議に明るく無垢な目を感じる。(朝日新聞 昭和47年3月7日付夕刊「標的」欄)